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【ドラマ】タイガー&ドラゴン 第6話「明烏」の回 感想

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ダブルベッド タイガー&ドラゴン

〇出囃子とともにmrsugarが舞台に登場

えー、落語には吉原が舞台の作品が多くあります。
吉原ってのは、遊郭の町。
今でいう、オトナのお店ってやつがたくさんあるらしいです。

「らしい」ってのは、私は吉原に行ったことがないからです。
ホントに!ホントですって!
あれ? 行ってないって言えば言うほど、なんだかウソっぽくなってくるような……

●舞台が突然暗転する

私は神奈川県の川崎で生まれ育ちました。
今も川崎に住んでいます。

川崎駅の近辺には、性風俗のお店があります。

中学生にもなると、川崎駅ちかくの繁華街で遊ぶことも増えていきます。自転車で川崎駅に行く途中、なんだかおかしな店が並んでいました。

入口がガラス張りになっていて、着物の女の人が座ってこっちを見ています。小料理屋という名前のお店が何件も並んでいて、どの店もガラス張りの向こうから女の人が座ってこっちを見ている。

中坊の私は、それがオトナのお店であることなどわかりもしませんでした。ただなんとなく、異質な世界に触れたような感覚だけがありました。

あのガラスの中にいた女性たちは、一体どんな気持ちで座っていたのだろう。そんな風に思うことがあります。

〇舞台に明かりが灯る

あっ!ついたついた!
いやー、前置きが長くなっちゃいましたね。

タイガー&ドラゴン第6話は、吉原のガラス……
じゃなくって、明烏(あけがらす)という落語がテーマの回です。

第6話 あらすじ

虎児(長瀬智也)の兄弟子である林屋亭どん吉(春風亭昇太)は40歳で独身。

女っ気のないどん吉でしたが、竜二(岡田准一)とどん太(阿部サダヲ)が計画した5対5の合コンに参加する羽目になってしまいます。

どん吉は合コンで、白石克子(薬師丸ひろ子)という独身女性と出会います――

登場人物

■林屋亭どん吉(春風亭昇太)
落語の腕はたつが、40歳で独身の男。
弟弟子たちには、羽振りがいい。
ホモじゃないけど、かなりのマザコン。
近所にいる3姉妹の影響で、女性不信になってしまった。飲み会のはしご途中、映画『さびしんぼう』を見るから帰ると言う男。

■白石克子(薬師丸ひろ子)
35歳で独身の女。
多額の借金があり、虎児や銀次郎(塚本高史)の新宿竜星会から追われている。
甘納豆屋の店員で、趣味はブログ。

■林屋亭うどん(浅利陽介)
未成年ながら合コンに参加。
「カワイイー」と女性たちからは高評価。

明烏について

時次郎は無類の堅物で通っていた。
酒も女も大の苦手で遊びをまったくやらず、部屋にこもって勉強ばかりしているような男。

ある日、時次郎が珍しく父親に外出してもいいかと切りだした。
同じ町内の源兵衛と太助に、浅草の観音様の裏手にあるお稲荷様へお籠もりに誘われたのだという。

時次郎の父親はニコニコ顔で小遣いを与えて送りだした。
時次郎は知らなかったが、お稲荷様とは吉原遊郭のことである。

じつは堅物の息子をなんとか柔らかくしたいと思案した父親が、遊び人として名の通った二人に、息子をうまく教育してくれるよう頼んだのだった。

さて、源兵衛と太助に連れられて大門をくぐった時次郎。
店にあがるまでは稲荷神社でお籠もりをするのだと思っていたが、花魁(おいらん)の姿を見てだまされたと気がつき、家に帰るといって泣きだす始末。

あまりの強情さに困った源兵衛と太助は「吉原の決まり」で脅すことにした。
二人「入るときと出るときの人数が違っていたら大門の番人に捕まってしまう。先日も一年も止められた奴がいるくらいで、一人だけ先に帰るわけにはいかない」

もちろん、そんな規則などないが、世間知らずの時次郎はすっかり真に受け、しぶしぶ店にあがるのを承知した。

3人それぞれが花魁の部屋にいく。
ビギナーズラックとでもいうのか、時次郎の相方は十八歳で絶世の美人である浦里という花魁がついた。

翌朝、あまりいい目にあわなかった源兵衛と太助は、ブツブツと文句を言いながら、時次郎の部屋をのぞいてみようという話になった。

ふてくされているだろうと部屋にいってみると、意外にも時次郎はまだ花魁と布団の中にお籠もり中。
源兵衛と太助にのぞかれると真っ赤になって布団にもぐってしまった。

二人がひやかすと、時次郎は「もう一晩お籠もりしたい」などと、ぬけぬけと答える。

ばかばかしくなった二人は、早く連れて帰ろうと花魁に時次郎を起こしてくれるように頼むが、いくら言われても時次郎は布団から出ようとしない。

理由を尋ねると、花魁が手をギュッと握ってはなさないとかなんとか。
女郎買いはいやだと泣いたのが嘘みたいな変身ぶりに、二人はあきれてしまった。

ここでサゲ(噺の落ち)。

二人「怒ってもしょうがねえよ。じゃ坊っちゃん、あたしらは先に帰りますから」
時次郎「先に帰れるもんなら帰ってごらんなさい。大門で止められるから」
※参考文献『古典落語100席』選・監修者:立川志の輔(PHP文庫)

タイガー&ドラゴンの明烏

こちらについてはここで書かずに、DVDやParavi(パラビ)などのサイトで実際に視聴していただきたく存じます。
決して、文章を書き疲れたからじゃあ、ございませんからね。

第6話ではOH!喜利喜利ボーイズという、大喜利に取り組む五人組がでてきます。
明烏のサゲを言いつつ、克子の借金を背負ってでも所帯を持つ決心を固めるどん吉が見どころです。

「お前はお前の古典落語をやればいい」
そう言われた虎児は「ガラにもねえことするなって意味」だと理解しました。

「人から愛される、立派な取り立て屋になれ」
どん兵衛(西田敏行)は、そう言いました。
明烏で息子を吉原に行かせる父親、タイガー&ドラゴンで息子たちの合コンを羨む父親に、度量の広さを感じた第6話でした。

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