人を幸せにする自信ないんです
「幸せの達人さん」
カフェ・フロリアンの店長さんは灯里のことをこう呼びました。世界で一番美しい広場で。
※天野こずえ『ARIA』Navigation25「影追い」より
失礼しました。
俺の趣味の話から始めてしまいました。
俺の家の話の話に戻します。
第七話。
家族旅行の帰り道、観山一家はみんな楽しそうでした。ユーミンのBLIZZARDを合唱するほどの浮かれぶり。ブリザ~ド♪
(寿限無(桐谷健太)はエアDJまでプレイしています)
おウチに到着して家族旅行は終了。
「解散!」
幸せを得た寿一(長瀬智也)たちは日常へ戻っていきます。
帰ってきた寿一(なんかウルトラマンみたいな表現ですね)にさくら(戸田恵梨香)が言います。
「あなたの番だからです」
さくらからの告白(プロポーズ)に対する返事の催促です。
寿一は答えることができません。。。
一方、息子の秀生(羽村仁成)の親権についての話し合いが始まりました。
寿一と元妻(平岩紙)、どちらが親権者になるか。
結婚や離婚の経緯について話していると、元妻が寿一に言います。離婚した原因は、プロレスで海外へ行って家にいなかったことではない。家にいる寿一の放つ”殺気”のせいだと。
プロレスラーを生業とする寿一は、日頃から殺気を放ってしまう。元妻はそれが嫌だったようです。
そんな中、観山家では寿三郎(西田敏行)の認知症が進行している問題が発生。能面を盗まれていると主張する寿三郎。(この主張は認知症の症状と思われましたが、後で本当に能面が盗まれていたことがわかりました)寿一たち一同は、寿三郎の言動の要因を見つけるため、寿三郎の部屋を見ることにします。
エロ本、エロいトランプやボールペン。
書いたことを忘れて何度も書かれた遺言状。
寿一(ブリザード寿)が表紙のプロレス雑誌。
寿三郎の部屋を見た寿一は思います。
マジメな親父と不真面目な親父がいる、と。
能の稽古で厳しい父親の寿三郎。
部屋にエロ本を隠している寿三郎。
どちらが本当の寿三郎かではなく、どっちも観山寿三郎です。
仕事(プロレス)によって殺気を纏ってしまった寿一。
その殺気を家庭でも放ってしまう寿一。
『元カレ』というドラマを思い出しました。
『元カレ』はTBSで2003年に放送されたテレビドラマ。
堂本剛、広末涼子、内田理名などが出演していたドラマです。
私が思いだしたのは『元カレ』のこんなセリフです。
「俺と仕事、どっちが大事なんだ」
「仕事と私、どっちが大事なの?」
テレビドラマは時代を反映するものだと思います。
『元カレ』は2003年、仕事と恋愛を二者択一にするセリフが印象的でした。
2021年の『俺の家の話』主人公の寿一はなんと、(ほぼ)無職でした。
寿三郎の症状が悪化していることを知った寿一は走ります。
(リモート会話中に走る姿をテレビドラマで描くのは新鮮で盛りあがりました)
元妻の家へ。そして妻に土下座。
殺気とかの償いはするから、寿三郎と秀生を会わせてあげてほしい。
寿一の行動は(寿三郎のいる)未来が限られているからこそ、幸せを第一にするものです。
「人を幸せにする自信ないんです」
さくらにそう言った寿一。
しかし、さくらと寿一は互いに、相手を思いやる言葉をかけ合うことで、優しい気持ちになれました。
思いやりを持った言葉が、さくら→寿一、寿一→さくらと巡って、幸せを生みだしています。
言葉と行動(山賊抱っこや土下座)は、幸せを生みます。
(もちろん、離婚調停で過呼吸になるほど元妻に「死ね」と言った場合など、例外もあります)
誰かを思いやること(言葉+行動)=幸せの発生
世界中にそんな式が溢れたら、いいですね。
(どこかから「恥ずかしいセリフ禁止!」と聞こえてきました)
さくらと寿一の言葉のやり取りが幸せを生んだように、幸せは巡ります。
能で一緒の舞台に立った息子・秀生からの手紙は、寿一に幸せを与えてくれるものでした。
秀生から幸せをもらった寿一(スーパー世阿弥マシン)はリングで叫びます。
「幸せにします!」
★☆★
「未来で人に幸せを与えるからKumi Koda――倖田來未って言うんやで!」
という、誰も全く意味のわからないギャグを思いつきました。
これを文中に入れたかったのですが、あまりにも意味不明。ですが、自己満足で最後に書くことにしました。