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【創作】SDGsちゃん 第1話(全3話)

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環境 創作

目が覚めるとワタシはSDGsになっていました。

枕元には昨日のワタシが使ったのか、殺虫剤のスプレー缶が置かれています。SDGsになったワタシはスプレー缶をしまう場所がわからないので、そのままにしました。

17つあるモーニングルーティンをこなして、ワタシは外へ出ました。

“〇〇さんにフォローされました”
ルーティンの一つ、スマホからSNSを確認したとき一気にフォロワーが増えていてビックリしました。有名企業や世界的に活躍する芸能人とか。起きたらSDGsになるって、どういうことなんでしょう?
フォロワーになってくれた人たちをフォローするかどうか迷って、後で決めることにしました。

どこに行けばいいかわからないまま街を歩きました。
アスファルト、木、人、ビル、鳥、自動販売機、人、電信柱。
太陽。

ちょうど向かいから来た人のジャケットの襟に小さなワタシが付いているのを見つけて、ワタシはその人について行きました。
大きなビル。
エレベーターに乗ると、その人は8のボタンを押しました。

8階の第5会議室には、その人と同じ小さなワタシを襟元につけた人たちが5人いました。みんなメガネをかけた男の人でした。

「新商品の発売時期につきまして――」「CMに起用するタレントさんは――」「イメージ的には、こう――」

会議は迅速に進んでいきます。
ワタシがついてきた人が「じゃあそれで」「決定」と言うたび、次のことに移っていきました。

ワタシの話になりました。

議題がワタシのことに触れると、ワタシがついてきた人はため息をつきました。周りのみんなに見えて聞こえるような大きなため息。もしかしたら、見せて聞かせるようにしていたのかもしれません。

「今はコレも入れなきゃいけないからな~」「評価基準の一つになっちゃいましたからね」「でも世界的な取り組みですし、利益に繋がるような方法を――」

円滑に進んでいた会議は、ワタシの話になった途端に進まなくなってしまいました。 ワタシは、ワタシのせいでみんながイライラしだしたような気がして、会議室から出ていきました。

<第2話>
https://www.mrsugarblog.com/%e3%80%90%e5%89%b5%e4%bd%9c%e3%80%91sdgs%e3%81%a1%e3%82%83%e3%82%93-%e7%ac%ac2%e8%a9%b1%ef%bc%88%e5%85%a83%e8%a9%b1%ef%bc%89/

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