『新世紀エヴァンゲリオン』を初めて見たのは、高校1年生のとき(2003年ごろ)でした。7才上の兄がオトナの力でDVDボックスを購入し、赤色のごついプラスチックケースからDVDを取り出して見たのが、私の初エヴァでした。
ものの見事にエヴァにハマった私は、アニメ第一話~「Air/まごころを、君に」まで、2周3周とDVDを見ました。
2007年から公開されたエヴァンゲリオンの新劇場版は、全て映画館で観ました。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』は新劇場版の完結作品です。
※以下、ネタバレを含みますので未見の方はお気をつけください
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■『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』
(2021/3/19)
総監督:庵野秀明
タイトルにある「:||」。これは音楽で反復をあらわす記号らしい。こういう、解釈が多様になるものをタイトルにまで入れるのは(否定ではなく)ズルい。
(これは「シン・〇〇」とカタカナで表記するのにも当てはまる)
映画を観ている途中で思ったが最初のアニメ版『新世紀エヴァンゲリオン』から、エヴァンゲリオンの大半の部分、特に碇ゲンドウ(CV:立木文彦)の理想やキャラクターの精神世界の描写とかは意味がわからない。という人がほとんどだと(勝手に・自分もそう)思うが、それなのに――それだからこそ、か?――こんなにも愛される作品というのはスゴい。
碇シンジ(CV:緒方恵美)と父親ゲンドウの対峙するシーンは空間を超越しているみたいで、その空間の超越を表現するのにはミサトさん(CV:三石琴乃)の家など色々な場所が背景として用いられていた。(空間を超越しているからこそ)日常的なあらゆる場面などにエヴァンゲリオンが現れる描写を目にして何だか冷めてしまったり、「自分は何を見させられているんだ」と感じる人がいるかもしれないと思った。(自分は特にそうならなかったが)
あと、ゲンドウの目がゲーム『Mother』シリーズのスターマンみたいに暗闇になってしまっていて、そこはしっかり目を描くことで混沌とか虚無とかを感じさせてほしかった。
林原めぐみが歌う「VOYAGER~日付のない墓標」(松任谷由実)が流れたのは良かった。
今までのエヴァは泣いてしまうような感動、というのは少なかったが、本作ではキャラクターそれぞれの境遇や信念がぶつかり合うドラマチックな場面もあって感動した。特に戦艦ヴンダーの甲板シーン。
マリ(CV:坂本真綾)というキャラクターが本作になってかなり重要な役割を担っている。読書を好み「あらゆる書物を読みたい」と言う彼女に、知識を得ることに喜びを感じていたかつてのゲンドウを重ねてしまったが……最後のエヴァに乗っていた彼女は、大切な人を必ず迎えに行くとても強い人間で、ゲンドウとは異なる生き方を提示してくれた。
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「プロフェッショナル 仕事の流儀~庵野秀明スペシャル~」を見て。
(2021/3/22)
自分の想像したものを形にしたのが作品。だったら、自分の予想を超えるもの、裏切ってくるものが作品に出てくるというのは、かなり難しいことだと思った。
※同番組の拡大版が2021年4月29日に放送予定のようです
「シン・エヴァ」庵野秀明氏密着の「プロフェッショナル」100分拡大版が4月29日に放送!
https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1319492.html
■「プロフェッショナル 仕事の流儀~庵野秀明スペシャル~」
拡大版(前編) 4月29日(木) 20:00 ~ 20:50
拡大版(後編) 4月29日(木) 21:00 ~ 21:50
アンコール放送 5月1日(土)23:50 ~ 25:05