アキ・カウリスマキはフィンランドの映画監督です。
以下、過去の記述より。
カッコ内は私が見た日付です。
街のあかり
(2014/4/18)
アキ・カウリスマキの作品を『罪と罰』でも『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』でもなく、これから観るのはどうなのだろう。
75分の短い作品、各シーンはブラックアウトで切り替わっていく。
主人公のコイスティネンは、マフィアとグルの女にはめられた結果、窃盗犯に。
留置場、刑務所送りとなってしまう。
無気力で、バカで、無口で、感情を表にだせない――無い、のではない――コイスティネン。
「ここじゃ死なない」
つぶやくように言って、つながる2つの手。
このラストシーンのためにある映画とも言える。
ハムレット・ゴーズ・ビジネス
(2014/4/21)
白黒の人間ドラマ。
テレビを頭から叩きつけられてそのテレビを被ったまま殺されてしまうシーンが印象的。
マッチ工場の少女
(2014/4/21)
カラー作品。
ネズミ殺しの薬を飲み物に混入させて、少女(ほとんど表情がない)は男たちを次々と亡き者にしていた。
レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ
(2014/4/23)
題名の通り、長いリーゼントとサングラスのバンド集団「レニングラード・カウボーイズ」出演の映画。
終盤、”ボーン・トゥ・ビー・ワイルド”を演奏するシーンが印象的。
彼らの音楽が良い。
レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う
(2014/4/26)
同名バンド出演映画の第二弾。
仲間のひとりウラジミールは、モーゼに生まれかわった。
みんなを先導し、怒りっぽいモーゼ。
「キリストは救いを与えるが、モーゼは違う」
モーゼは自由の女神の鼻を盗み、作中常に物欲を抱えている。
彼がプールの水の上を歩くシーンが面白い。
「テキーラをくれ♪」など、演奏する音楽も良い。
浮き雲
(2014/4/29)
主人公は『マッチ工場の少女』で無表情だった女性。
生、金、仕事、料理。
音楽が良い。
真夜中の虹
(2014/4/30)
仕事を終えて家に帰ってから、映画を一本ゆっくり観るぐらいの時間的・精神的余裕がなかった……。
過去のない男
(2014/5/3)
暴漢に襲われ頭を殴られたせいで自分のことを忘れてしまった男。
記憶や金品を奪われた後、男は海辺で暮らす貧しい家族に助けられる。
この監督の作品は、滑稽さや渋さ、おしゃれや間の取りかたなど、全ての案配が絶妙。
ハンニバル(食人鬼)という名前の犬が終始おとなしくて笑える。
出演バンドの演奏・楽曲も良い。
ラヴィ・ド・ポエーム
(2014/5/4)
作家、画家、音楽家――
ひょんなことからつるむようになった3人。
彼らは世間に認められず、だからこそ貧乏だ。
金がなく鬱屈した日々を過ごす彼ら。
だが画家の恋人、ミミが入院することとなったときには、みんなで金を集める。
自身が書いた(描いた)絵や貴重な本を売ってまで。
途中にあった湖畔での休日のシーンを含めて、彼らは人生において本当に大切なことをわかっている。
だが、自己を理解してほしいが故に、浮いてしまう。
コントラクト・キラー
(2014/5/4)
ヒッチコック映画のコメディ版、のように感じたのは俺がなんとなく見たからか。
舞台は英国。
愛しのタチアナ
(2014/5/6)
約60分の短い、白黒作品。
白い花びら
(2014/5/7)
白黒のサイレント映画だが、音楽は常に流れている。
声がないと演技の方法は変わってくる。
ル・アーヴルの靴磨き
(2014/5/8)
ル・アーヴルの町は荒れている。
というのは言いすぎだが「希望がない」。
そこに海から流れてきた少年。
海の中でも体が濡れていない少年(神!)は希望である。
その後は、ル・アーヴルの町にも希望がでてくる。
だがそれは突然湧きでた訳ではなく、人々の見方(目線)や思考が少しだけ変わっただけなのかもしれない。
主人公の初老の男は(若いころ)『レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う』ではちゃめちゃな唄を歌っていた男の役者。
リトル・ボブのコンサート映像がカッコいい。