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【本】パク・ミンギュ『ピンポン』感想

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韓国人作家の小説を読んだのは、この作品が初めてでした。
『ピンポン』は不思議な青春小説で、世界観にぐんぐんひきこまれていきました。

以下、過去の記述より。
カッコ内は私が読み終わった日付です。

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■パク・ミンギュ『ピンポン』(2019/2/27)
韓国人作家による不思議な青春小説。
訳者は斎藤真理子。
韓国の文芸作品を読むのは初めてだと思う。

※以下「釘」と「モアイ」は登場人物の名前です

釘とモアイは、いじめや人心掌握なんかのカリスマみたいな男チスにいじめられている。
殴られたり金を取られたりと、まるで古谷実『シガテラ』の荻野と高井のよう。

そんな二人だが、原っぱで見つけた卓球台で卓球をするようになる。

≪自分のラケットを持つということはね、いってみれば初めて自分の意見を持つってことなんだよ≫
卓球ショップ「ラリー」の店主セクラテンから卓球のことを学び、釘とモアイはピンポンをする。

二人をいじめていたチスは、マリという女性が死んでヤバいことになってどこかへ行く。
それでも時々はチスから釘に電話や呼びだしがあり、モアイはハレー彗星を待ちわびるクラブに入っていて、しかも金持ちで自動販売機で買ったものしか飲めず、チスがいなくなっても彼の仲間によるいじめがあったり、と思ったら空から巨大なピンポン球が落下して、世界は卓球界になって、ネズミと鳥と卓球の試合をすることに。

世界に「あちゃー」された人間であることを自覚している釘は、卓球の試合に勝利して人類のアンインストールを選択する。

詩的な想像力にあふれた、とても良い作品。

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