私がどうしてこの時期に春画に興味をもったのかは、おぼえていません。。。
当時はテレビのない一人暮らしだったので「タモリ倶楽部」で放送されてそれを見たわけではないと思います。
以下、過去の記述より。
カッコ内は私が読み終えた日付になります。
白倉敬彦『春画を読む 口説きの四十八手』
(2013/3/18)
著者は浮世絵研究者・文筆家の方。
菱川師宣の『新撰 好色いと柳』を――これは好色男・在原業平直伝の秘手である、とのこと――取りあげ、江戸時代における「口説き」の手管を紹介した作品。
かなり面白い。
エロいのが面白く興味深いのと、「口説き」(ナンパ術)の指南書であること、「おいおい、そんなことありえないだろう」ってスタンスの沈着冷静な著者の文章、全てが”結合”して面白い。
師宣の作品が、”ただ女を口説く(=ヤる)”ことにだけ専念して描かれているのが凄まじい。
ヤるためなら嘘もつくし、後のことなんか関係ねー、って感じ。
春画というのは、男の性器を大きく描き、結合部を見せる(描く)ために女は足を高く上げている図が多いのだと、初めて知った。
描かれる表情や衣服・布団が、良い。
白倉敬彦『春画を読む 恋のむつごと四十八手』
(2013/3/28)
春画新書の第二弾。
前作『口説きの四十八手』は「口説き」(=ヤること)の手引きだったが、本作では「色」「恋」にスポットがあてられている(勿論そこには性遊戯も含まれる)。
なので、情事”後”に男女が恥ずかしがっている奥深い絵などもある。
48枚の後半あたりから、「障子ごしに」「馬上(木馬)で」「ブランコにのって」――とフィクション性の高い秘事が出てくるのが面白い。
著者の冷静なつっこみ混じりの文章は相変わらず笑える。
タイモン・スクリーチ『春画 片手で読む江戸の絵』
(2013/5/30)
春画を美術ではなく、単なるポルノグラフィーとして論じる画期的な作品。
巧妙な語り――と言うかただのオヤジの下ネタとしか思えない文章(これは訳者の高山宏のワザか?)が非常に面白い。
春画の構図や道具等々、著者は全てを性の象徴であると解説する。
春画に描かれる男女および性器、絵描き、鑑賞(使用?)者、全てに共通するのは性への興味だ。
これほど電車の中で読みにくい本は、そうそうないだろう。