カルレス・プジョルは、スペインリーグの名門FCバルセロナで2015年まで約15年間も活躍した。
バルセロナではキャプテンを務め、スペイン代表では2010年のW杯で優勝を経験している。
ポジションはセンターバック、”無敵艦隊”と呼ばれたスペイン代表の守備の要として貢献した。
プジョルには、生真面目・堅実といった言葉が似合う。
ずば抜けたテクニックやスピードを持ってはいなかったが、献身的なプレーと持ち前のガッツ――キャプテン翼の石崎くんのような――が、彼の特徴だった。
自慢の長いカーリーヘアを揺らしながら走る姿は、まさに闘将という呼び名がふさわしかった。
長いカーリーヘア、これが印象的だった。
走るとき、スライディングするとき、ヘディングするときに揺れるその髪は、いつもメタルバンドを髣髴とさせた。
プジョル=メタル、その印象が固まって以来、彼のプレーを見るたびにメタリカやメガデスの音楽が私の中でBGMとして流れてしまう。
私はサッカーの試合を見た後、簡単な記録を書いておくことが多く、プジョル=メタルに関する記述も残っていた。
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2010年7月7日 W杯準決勝 ドイツ対スペイン(0-1)
双方なかなか点が取れないまま進んだが、後半終了間際にコーナーキックからのプジョルのヘディングシュートによって0-1でスペインが勝利。
ドイツのシュバインシュタイガーは相変わらず最高のプレーだったが、右サイドのミュラーの不在が大きかった。
ドイツを応援していたのに、あのメタル野郎にやられた!
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文中の「あのメタル野郎」とは、プジョルのことである。
国語のテストなら、「問:作者はプジョルのことを何と呼んでいるでしょうか?」という問題の答えとなる部分。
プジョルが嫌いなわけではない。ガッツに溢れた、名選手である。
ただ、メタルが。見るとどうしてもメタルしか浮かばなくなってしまう。
ちょっと気になって、プジョルのWikipediaを見てみると、以下のような文があった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%97%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%AB
『音楽ではナパーム・デス(Napalm Death)が好みである』
『初めてトップチームで練習した19歳の時、ルイス・ファン・ハール監督に「美容院に行くお金がないのかい?」と髪を切ることを提案されたが、「いえ、今は髪を切りたくないのです」と切り返した』
ナパーム・デスは、イギリスのヘヴィメタルバンドである。
しかも、名監督のファン・ハールから髪を切らないのかと問われて拒否するほど、あのロン毛を大事にしていたらしい。
プジョル=メタル。
やはり・・・私は・・・間違って・・・・・・なかった・・・
彼が走れば、どこからかギターの音色が聞こえる。