冷たいと熱帯魚、もしこれが”乾燥”なら、さらに相反する感じの字面になったかも。
以下、ネタバレを含みますので、未見の方はお気をつけください。
※カッコ内は私が見た日付です。って、クリスマスに見る映画じゃねえ。。。
手元のノートを見ると、この年のクリスマスはリメイク版の『クレイジーズ』も見ているらしい。
どんなサイレンナイトだよ!
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■冷たい熱帯魚(2011/12/25)
園子温監督・脚本作品。
小さな熱帯魚店を営む、冴えない主人公の男(吹越満)が最悪の事件に巻きこまれてしまう話(超大ざっぱ)。
園子温の、相変わらずヤバくてタブーっぽい内容と精神的&肉体的に”クる”作品。
死体解体――「ボディを透明にする」――の共犯者にさせられた主人公の社本(しゃもと)は、最後に主犯の村田(でんでん)と村田の妻(黒沢あすか)を殺し、「人生で一度も自分の足で立ったことがない」と村田に言われたことを覆し、自身の家族に自分の言い分を無理矢理きかせつける。
社本は再婚相手の妻(神楽坂恵)も殺し、前妻との間の子(梶原ひかり)に「一人で生きていけるよな」「人生ってのは、痛いんだ」と、父親として初めて娘を教育して自決する。
死んだ社本を足蹴に「クソじじい。やっと死にやがった。おい!起きろよ!起きあがれよ」と娘が言うラストシーンは中々に衝撃的だった。
社本の娘への、人生をもって伝えた教訓は、娘に伝わったのかもしれないし、全く伝わっていないのかもしれない。
多分、映画のラストの時点での娘には、社本の意志は全く伝わっていないだろう。
園子温の他作品同様、観た後に確実に何かが残り、色々と考えてしまう作品になっていた。
主人公・社本役の吹越満と村田役のでんでん、素晴らしい演技。
↑観た後に、『冷たい熱帯魚』は「埼玉愛犬家事件」というのを基にしていて、キャラクターや主人公家族の設定以外の大体のあらすじが、同事件のまんまなのだと知った。
「ボディを透明にする」は実際の犯人の言葉らしい。
恐ろしすぎる人間がいたもんだ。
■再見(2011/12/27)
『冷たい熱帯魚』を再度観る。
人間は自分が死んでもいい、あるいは他人を殺してもいいと感じてしまう出来事を経験しなければ、己がやりたいこと・欲求を(他人を無理矢理に従わせてまで)体現することができない
――そんなことを考えさせられた。