スポンサーリンク

【コラム 先輩】徳と福

スポンサーリンク

今年はじめの台風が発生しているらしい。
台風といえば、『ドラえもん』台風のフー子の回は良い話だ。

台風が日本列島に上陸したなら、猛烈な雨や風をもたらすことになるが、この間、猛烈な風を吹かせた男がいた。

ラーメン屋。
初めて食べる徳島ラーメンがとても美味しく、ズルズルと麺を啜っていた。

と、入口が開いてスーツ姿の三人。
男男男、と書いてかしましい。ってか騒々しい。
飲んだ後で、明らかに酔っぱらっているのが一人。
他の二人は酔っぱらいに従っている感じだった。

酔っぱらいは30~40代で、後輩二人(新入社員っぽい)に教えを垂れたりしている。
無礼講で大丈夫だから!――そんなことも言っていたが、その口調や雰囲気からは偉ぶった態度しか見受けられない。

体育会系の企業なのか、後輩くん達は終始「はいッッ」「ありがとうございますッッ!」みたいなことしか言っていなかった。

もう、ピューピューだった。
先輩風が。
それほど高齢でもなく、今どきこんな、絵に描いたような先輩風を吹かせられる男はそうそういないだろう。
まあ、彼の教えから、あるいは反面教師として後輩くん達に何か得るものがあるなら、それは素晴らしいことだ。

先輩風の凄まじさに、『孤独のグルメ』の五郎さんなら成敗していたかもしれないが。
(漫画版のほう。ドラマはドラマで好きです)
後輩に向けた「店員に、牛丼は無いのか聞けっ!」の声がラーメン店内に響いたあたりで、関節技を決めに行っただろう。

次は、つけ麺のほうも食べてみよう。
追い風とともに、店を後にした。

タイトルとURLをコピーしました