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【本】長嶋有『佐渡の三人』感想

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長嶋有『佐渡の三人』

以下、過去の記述より。
カッコ内は私が読み終えた日付です。

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■長嶋有『佐渡の三人』
(2016/12/10)

久しぶりに読んだ著者のこの作品は、ある家族三人での納骨の旅(表題作)含め4つの連作集。連作の全てが死について、納骨についての作品。

だが、著者が描くのは生者にとっての死、だ。「旅人」という作品にもあるが、主人公の道子(小説家で、作品内で”佐渡の三人”という作品を書いている。←しかも住職にも読まれている)は、人が「いなくなる」ことが、体がなくなるだけでないことを不意に実感する。

逆に、生きている者たちは死者を重んじ、其処にはその人にとっての死者(思い出や記憶)がいる。

そして、生者の生活は――ガラケーがやがてiPhoneに変わっていくように――続いていく。

文庫本に挟まっていた「佐渡の三人しおり」が嬉しかった(著者の句が入っている)。
著者らしい、遊び心。

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