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【本】阿部和重『クエーサーと13番目の柱』感想

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以下、過去の記述より。
カッコ内は私が読み終わった日付です。

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■阿部和重『クエーサーと13番目の柱』
(2016/12/14)

アイドルの追っかけ(尾行・監視等)を行う組織を描く、相変わらずヤバい作品(を著者は書く)。

題名の「クエーサー」は準恒星状天体のことで、≪地球から観測できるぎりぎりの(中略)凄まじいエネルギーを放ちながら宇宙一明るく輝いてる天体≫。

主人公タカツキリクオたちの組織では、標的のアイドルを”Q”と呼び、”Q”はQueenとクエーサーの2通りの意味がある。

登場人物に「引き寄せの法則」にとりつかれた人物がいて、法則を使う人物の行動は運命とか予定調和という言葉を浮かべずにはいられない。
で、運命(あるいは、ただの妄者による行動)に抗う主人公、彼はラストシーンで”無数に分岐して展開してゆく可能性が折り重なる世界から、ひとつの選択肢を選びとる”。
それは「世界の出来事は予め決まっている」のではなく、「人間が選んだ行動が世界を作っていく」という意味にもとれる。し、佐々木敦の解説にあるように、そこで東日本大震災という日本・世界を変えてしまった出来事を思い出さずにはいられない。

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