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【映画】青山真治監督作品の感想

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以下、過去の記述より。
カッコ内は私が見た日付です。
※ネタバレを含みますので、未見のかたはお気をつけください

レイクサイド マーダーケース

(2011/1/30)
青山真治監督で東野圭吾原作なら面白くないはずがない。原作小説は未読だが。

事件の犯人は意外性という点を考慮すれば子ども(たち)だと思いあたるが、子を想う親の心境にも重点を置いていたのは意外だった。

主人公役の役所広司以外の親および先生(豊川悦司)が放つ、どこか不穏な雰囲気が良い。江本明の狂人ぶり・得体の知れなさは本当に不気味。

ラストの遺体の挿入も良かった。

EUREKA

(2012/1/3)
小説版は既読。
約3時間半の白黒映画。
色がないことが、美しい北九州の風景をさらに鮮明に際立たせている。

自身が運転するバスがバスジャックされ、生きる(死ぬ)とは何であるか見失った主人公の沢井真(役所広司)が、事件の際に乗車していた田村兄(宮﨑将)・妹(宮﨑あおい)と共に暮らすことで、ぐるぐるまわる人生に何があるか探し取り戻そうとする。

沢井の行動は田村兄・妹に(親が与えるような)愛を伝え、妹の梢も最後の場面では愛ある行動を見せていた。

チンピラ

(2013/1/18)
主人公(大沢たかお)とみっちゃん(ダンカン)は、チンピラ。真っ当に生きることも、かといってヤクザになることもできない綿のような存在。

ひとつの(カメラを引いた)ショットの中で、わりと長い時間、役者たちを動かしてつくっているシーンが良かった。主人公の決闘(腹部を刺される)や海、砂浜のシーン等。

主人公とみっちゃんは、確かに”ダチ”だった。

Helpless

(2013/3/7)
北九州での、主人公・白石健次(浅野忠信)と右腕のないヤクザの安男(光石研)、安男の妹で障がいのあるユリ(辻香緒里)たちの物語。

物語というより、1989年9月10日という1ページ。

撮りかたがオシャレすぎる。
冒頭、バイクに乗る健次のカメラをブレブレにして、ラストでは健次とユリが(キューちゃんというウサギを探しながら)――決してカメラのブレることのない――ゆっくりと歩くシーン。病院の窓で揺れる白いカーテン・健次の部屋の窓・健次が放った三輪車で割れる喫茶店の窓、定点で空間を切りとったようにうつす喫茶店のシーン、健次が飲むコーラ……などなど洒落すぎ。
良い。

健次と安男の内面に抱える「何とも言えないような」感情が描かれている。仮出所した安男は、人を殺めすぎ。

東京公園

(2013/8/21)
舞台は東京(の主に公園)。
カメラマン志望の主人公を演じるのは三浦春馬。

カメラワークの美しさとセットの「映画らしさ」「洒落た」感じが画面に絵として映しだされる。

主人公にだけ視える友人の亡霊が「染谷将太っぽいけど染谷将太かコレ」と思っていたら、やっぱり染谷将太だった。

カメラや会話、他者(家族もだ)との関わりを通して、主人公は新しい見方や想いを得ていく。

月の砂漠

(2014/2/19)
主演は三上博史。
家族の物語。

青山真治監督は(たとえストーリーがつまらないとしても)1シーンは必ず観る者を惹きつける場面をつくってくれる。

セットや役者の配置、色づかいやカメラの位置が絶妙に設定される。

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