最近はじめてやったこと。
・バランスボールに座る
・猫の肉球に触る
・冷感素材の布団シーツで寝る
どれも「やってみたい!」という強い欲求があったわけじゃない。バランスボールを買ったのは腰を痛めた影響だし、公園の猫がたまたまじゃれ合ってくれたから肉球に触ることができた。夏用のがなくて購入した冷感素材の布団シーツは、商品の宣伝文句にあった通りモチモチだった。
(立ったまま本を読む。これも腰を痛めたせいではじめてやったことかと思ったけれど、小中学校時代に先生から指名されたときには席を立って教科書を読むこともあったなあって、遠い目をしてみる)
上に挙げたのは、やってみて良かったこと。良くなかったこともある。
今日の朝食はコーンフレーク。
コーンフレークを食べるのは久しぶり。ミルクボーイが漫才にするだいぶ前から、コーンフレークは久しく食べてない。
(そう言えば、電車の中でミルクボーイの漫才の面白さについて口頭で説明する人を見たことがある。その人は的確な言葉で漫才の内容や”すれ違うさま”みたいのを説明していたけれど、ミルクボーイを見たことのない相手には全く伝わっていない様子だった。漫才の面白さを口頭で説明するって無理がある。見るしかない)
コーンフレークには牛乳をかけて食べる派だけど、牛乳がなかった。なので、飲むヨーグルトをかけて食べてみた。
チョコ味のコーンフレークと飲むヨーグルトは、やってみたけど合わなかった。何口か食べて(日本には)チョコレート味のヨーグルトが売られていないのに合点がいった。数分前に飲むヨーグルトを注いだ自分を悔やんだが(飲むヨーグルト容器に返らず)、実際に食べてみないと合わないのを知ることはできなかった。
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「目玉焼きに何かける?」
という定番の質問がある。
よく耳にしたのは、
「目玉焼きには醤油派? それともソース派?」だ。
醤油とソースの二択。
って、ちょっと待ってもらいたい。
この二択の質問には事前の質問が必要だと思う。
「家にあるソースはシャバシャバ? それともドロドロ?」
この質問を経てシャバシャバ側の人でないと目玉焼きにソースをかけるって選択肢がそもそもないんじゃないんですか!?
そうだろう?ミスターウスター?
と、どうでもいいことが浮かんだ。
どうでもいいついでに、ソースがシャバシャバかドロドロかは地方にもよるのかなあ。とも思った。(ウスターソースは西日本の人たちには一般的かもしれないが、東日本ではそれほど置いていない家庭も多いと聞いたことがある)
で、私はといえば。
目玉焼きには醤油もソースもかけない。それらをかけて食べたことがない。
でもそれだけ定番な質問なんだから、醤油やソースは合うのだろう。目玉焼きに。
……味を想像してみるけれど、やっぱり食べてみないとわからなそうだ。
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やったことのないことは沢山ある。
ドローンの操縦。スカイダイビング。(なぜか空関連……)
食べたことのないものも沢山ある。
フォアグラ、トリュフ、松茸の土瓶蒸し。
でも、そんなことをやる・食べるお金はない。
さきほどの質問。
「目玉焼きに何かける?」
この質問で大事なのは「何」の部分ではなく、「かける」のほうなんじゃないか。
かけるは、×になる。
目玉焼き × 〇〇〇
(もしも受け攻めが気になる方は、〇〇〇 × 目玉焼きでも大丈夫です)
34才にもなって、未だに目玉焼きに醤油もソースもかけて食べたことのない私は知らないことばかり。醤油とソースでなくてもいい、七味唐辛子やマーガリンだって自分には合うかもしれない。
まだ知らない、初めてがある。
それは、ワクワクできることでもある。
初めてを生みだす方法。
チョコ味のコーンフレークに飲むヨーグルトをかけて失敗した経験が、私にそれを教えてくれた。
身近なものを組み合わせる。
で、やったことないをやってみる。
×の可能性は広がっていく――