2020年4月――緊急事態宣言が発令されると、テレビ番組の出演者はリモートでの対応が増えた。
その時期にテレビを見ていて、気がついたことがある。
出演者の服装に音楽バンドのTシャツが多い。
ハライチの岩井 → スピッツ
シソンヌのじろう → 人間椅子
永野 → BUCK-TICK
(お笑い芸人ばかり。自分が「勇者ああああ」と「ゴッドタン」を中心にみていることがわかる)
リモート出演で、スタイリストがおらず私物を着ているからなのだろう。
新型コロナウイルスの流行以前から、音楽バンドのTシャツを着て番組に出演する芸能人もいた。
おぎやはぎの小木 → ザ・スミスのモリッシー
ハナコの岡部 → never young beach
バンドTシャツの良さを挙げてみる。
①趣味の主張
自身の好きな音楽やバンドをTシャツとして身につけることで、好きなものをアピールできる。
皮肉めいた言い方をしたくはないのだが、アピールというのは、こういう音楽やバンドが好きな自分、そうした趣味嗜好を持てる自分のセンス――という面を多分に含む。
②低価格
ライブ会場での物販(いまは通販も多いのかも)などで売られるバンドTシャツは、だいたい3,000円~4,000円くらいで買うことができる。
オシャレなフォトTシャツに仕上げられていて、セレクトショップなどで売られるものだと1万円とかになることもあるが、多くのバンドTシャツは比較的お安く購入できる。
③選択からの解放
スティーブ・ジョブズが毎日同じ服装だったことは有名である。
しかし、私服ではちょっとオシャレも楽しみたい現代日本に生きる私たちは、同じ服を揃えて生活するまでは中々できない。
だが、Tシャツの種類なんて、それこそ星の数ほどある。
無地Tシャツ、柄Tシャツ、イラストTシャツ・・・ボ、ボ、ボクは、どれを選んだらいいのかなあ?かなあ?となってしまうこともある。
そんなときに羅針盤となるのが、「そうだ。好きなバンドTシャツを着よう!」である。
自分の好きなものなら、選択肢として間違いない。という、確信めいたものを与えてくれる。
私も、バンドTシャツが好きだ。
20代前半、音楽ライブに割と行っていたころは、毎回のようにバンドTシャツを買っていた。
the pillows、hawaiian6、LOW IQ 01(MASTER LOW)、神聖かまってちゃん・・・
セックス・ピストルズ、ニルヴァーナ、クラッシュなどの伝説的なバンドのTシャツも着ていた。
あと、UT。
UTはユニクロが販売するポップカルチャー系のTシャツで、コーネリアス(小山田圭吾)のデザインやブルーノートとコラボしたソニー・クラーク「クール・ストラッティン」のジャケットTシャツなどを愛用していた。
UTといえば、最近、超くだらない小話を思い浮かべた。
(くだらないって、前置きをつけたからね!)
新型コロナウイルスの影響で、新しい生活様式などと言われるようになった。
外食産業が困窮する中、テイクアウトで料理を提供する店が増えた。
おうち時間の増えた客は、それをテイクアウトで利用。
テイクアウト。とUT。
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飲み会の流れから、私はタケオの家に泊まることになった。
もともと泊まる予定などなかったため、寝るための服を持たない私は、タケオが貸してくれたTシャツを着て寝た。
翌朝、貸してくれたTシャツをどうするべきかタケオに聞くと「そのTシャツあげるよ。着たまま帰っちゃって大丈夫っす」とのこと。
それはありがたいですわ!と私はもらったTシャツのまま、タケオの家を出た。
よく見るとタケオのTシャツは、ユニクロのUTだった。
タケオのUT、お持ち帰り。
TakeoのUT。
Take oUT.
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