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【コラム 一番】ストロベリーフラペチーノ片手に見る世界

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ストロベリーフラペチーノ コラム

通販の野菜ジュースのテレビCM。
「私史上1番!」
と、野菜ジュースを褒めている方がいた。

私史上1番。
私史上〇〇。
って言い方は、「全米が泣いた」のような壮大な感じをもたらすフレーズだと思った。


「ストロベリーフラピ、あっ、フラペチーノで。持ち帰りでお願いします」人生で3回目か4回目のスターバックス。慣れない注文に焦ってカタカナを噛みつつ、店員さんに告げる。一緒にいる妻は豆乳ラテを注文する。

以前の職場を退職する際、お客様先でお世話になった方からいただいたスタバのカード。これが財布に入っていなければ、スタバには滅多に行かない(そもそも喫茶店に入る習慣がない)。

スタバの店員さん。
彼/彼女らには気品のようなものを感じる。スタバイズムを理解して実践している、デキる店員さん。そんなイメージ。
バイト応募時の面接対応だけ上手くて採用されて、いざ現場での仕事になると怠けたりおもてなし精神がない店員。スタバには、そういう人々が集められた収容所・矯正施設のようなものがあるんじゃないかと想像してしまうくらい、実店舗にはデキる店員さんたちしかいなそうだ。カッコイイ。

妻と私の注文品のできあがりが告げられ、レジへ。「ストロベリーフラペチーノは何かソースをおかけしますか?」と問われたので、ソースは何があるのか問い返すと、「チョコレートとキャラメル、あとハチミツなどがございます」そう言われて、チョコレートソースをかけてもらった。

カップにストローをさして店をでる。
トールサイズのストロベリーフラペチーノ。トールって、マクドナルドならどのサイズ?と妻に確認する。tallなので大きいLだと思っていたが「マックならM」とのこと。大きいグランデという名称のサイズがあることは、かろうじて知っていたが……店を後にして早々、手にするトールサイズの飲み物に耐えきれなくなって妻に言う。

「今までの人生で一番オシャレなものを持って歩いてる気がする」

自分がスタバの期間限定商品を片手に街を歩くことがあるなんて! トールサイズのストロベリーフラペチーノを持つ左手が冷たい。空いたほうの手に鬼ころしの紙パックでも持たないと、自分の中でのバランスが釣り合わないような。ってことは、ストロベリーフラペチーノからしたら、ストロベリーフラペチーノ史上1番ダサい奴に持たれているのか!? そんなこと、ありませんようにと願いつつ駅の裏側、人通りの少ない道を歩く。

私史上1番オシャレな飲み物を片手に歩く。オシャレな私。目映い陽光、走る車、ママと手をつなぐ子ども。左手には、ストロベリーフラペチーノ。ああ……セカイってこんなに、キラキラしてたっけ? そう問いかけたくなる。

私は今、スタバのストロベリーフラペチーノ片手に歩いてる。それだけで、何だか世界が違って見えていく。

川崎駅から歩く道は立体交差していて、上下で十字になってわかれている。交差する道の先、右手側の建物にかかる広告の文字が私の目にとまる。

ラブホ女子会

ラブホ女子会!?
今はそんなのあるのか。もう一度見てみる。

ラブホ女子会 予約できます!

コロナの影響で、ラブホテルの営業は悪化しているのだろう。もしかしたら、ラブホテル史上1番大変な状況なのかもしれない。みんな、色々アイデアをだしてどうにかこうにかやっている。

クロスする道の先、ラブホテルの建物にかかる広告の垂れ幕を見つめるオシャレになった私。女子会に縁はないが、私史上1番オシャレな飲み物を手に歩くと、普段は見慣れないものが見えるんだなあ――感慨に耽りつつ、ストロベリーフラペチーノのストローを啜る。私史上1番ではないけれど――そもそも、史上1番かどうかなんて容易に言えない――甘酸っぱくてとってもおいしい。

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