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【本】長嶋有『ぼくは落ち着きがない』感想

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ある高校の図書室――そこの図書部員たちのお話。
(図書委員ではなく、図書部員)

『本が好き!』という光文社の冊子に連載されていただけあって(現在は休刊。Web版※にて運営)、本が好きになれる作品。
※本が好き。https://honsuki.jp/

以下、2011年7月2日(土)の記述より。
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ぼくは落ち着きがない――タイトルは作中に登場する金子先生が作家になり、主人公の望美をモデルにした小説の題名だが、望美は”ただ落ち着きがない”女子としては描かれていない。

むしろ望美は、高校生にしては大人びていて、他人の言動や行動を――それこそ、図書室に半分だけはみ出す蛍光灯から眺めるように――俯瞰することができ、(「本はつまり、役に立つ」、と)様々な読書”体験”から色々なモノ・考察を得ている、落ち着いた女子のようにも見える。

「冷静に落ち着きがない」――そんな風に表現したくなる。

周囲から浮いてしまう頼子への望美の想い――やがて、その想いは行為として描かれている――が、感動的。

ナス先輩の名前は、”為”と書いて、ナスと読む。

あと、堺雅人の解説が良い。(※文庫版のみだと思います)
(堺雅人は、著者の『ジャージの二人』映画版で主人公を演じている。)

演技をキイワードにした解説。
一つのことに精通している大人は、物事を見る目がきちんとあるのだろうと思った。
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本棚から、ぼくは落ち着いて本を取り出す。

漫画家の衿沢世衣子による、カバーイラストも良い。
『うちのクラスの女子がヤバい』また読みたくなってきた。

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