マッチという飲み物がある。
「ビ・タ・ミ・ン すうぅ~ マッチ♪」のCMソングが印象的だ。
発売当初に母親が買ってきてくれて、小学校のサッカーチームの練習にと、その飲み物を持たせてくれた。
CMがたくさん流れている最新飲料のマッチが飲める!
私は嬉しかった。
サッカーの練習に行って休憩になると、500mlペットボトルの蓋を開け、念願の飲み物を口に含む。
と、すぐに感じた。
口の中がシュワシュワする。
パチパチとはじけている。
マッチが炭酸飲料ということを私は知らなかった。
(正確には微炭酸だろうか)
サッカー練習から家に帰ると、私は母親に文句を言った。
マッチが炭酸だったこと。
そんなものは、スポーツの休憩に相応しくないこと。
「次からは、ポカリかアクエリにしておくれよ!」などと、言ったかもしれない。
(当時の私は麦茶をよく飲まされていて、周りの友達がスポーツ飲料を飲んでいるのをいつも羨ましく思っていた)
そのときの母親のリアクションは覚えていないし、母親本人もそんな一連のことは忘れているだろう。
ただ、母親が何気ない思いやりで買ってきてくれたのに、それを否定してしまったことが、私の中で割と強く印象づいている。
そういう記憶とか思い出って、誰しもあるものなのだろう(か?)。
ちょっと、感傷に浸りたいだけなのかもしれない。
センチメンタリズム。ジャーニーはしない。私はもう 33だから。
ビタミンも摂れる爽やかなマッチ、今の私はけっこう好きだ。