以下の作品の感想は、別に書いています。
■【映画】園子温監督『冷たい熱帯魚』感想
https://www.mrsugarblog.com/%e5%86%b7%e3%81%9f%e3%81%84%e7%86%b1%e5%b8%af%e9%ad%9a%e3%80%80%e6%84%9f%e6%83%b3/
園子温監督は好きな監督ですが、作品によって好き嫌いがわかれるときがあります。
以下、過去の記述より。
カッコ内は私が見た日付になります(公開順ではありません)。
※ネタバレを含みますので、未見のかたはお気をつけください。
ハザード
(2011/10/2)
オダギリジョー主演。
ニューヨークに行った若者が、やりたい放題する話…なのはいいが、粗雑さや実際の/自然の感じを出すためかわからないが、カメラがフラフラでもうすごくフラフラで、めっちゃ気持ち悪くなった。
酔った。
あまりにも気持ち悪くなったから、ベッドで横になりながら粗っぽく観た。
欲求が湧いたら、思ったらすぐに行動する若者たちの生き様は、非常にシンプルだ。
※この日はジョージ・A・ロメロ監督『ランド・オブ・ザ・デッド』も観ていたようです
愛のむきだし
(2011/10/16)
全編で約4時間にもなる大作(DVDは上・下にわかれている)。
エンタメであり変態で宗教で愛をむきだすけど非常に歪んだ愛だったりして、な作品。
メチャクチャ面白すぎる!
今年観た邦画では『アカルイミライ』といい勝負、ってくらい良かった。
笑えるし、泣けるし、満島ひかりの演技がヤバい(鬼気迫るシーンが数回ある)。
一気に観て、素晴らしすぎて興奮した。
レンタル後にDVD買ってもいいわ、ってか欲しい、と思った。
主人公の家族を新興宗教”ゼロ教会”にひきこむコイケ(安藤サクラ)の心情(彼女は観る者が嫌悪を抱くキャラクターだが)がもう少し描かれていてもいいと思った。
盗撮のプロ「ホンダユウ」。さそり
(2011/10/21)
再度観る。
長い。が、やっぱメチャクチャ面白い。感動。笑い。
(2012/2/23)
DVD購入してから初観。←多分おそらく絶対にこんなコトバはない。
やっぱり面白い。
絶食からの海辺のシーン(ヨーコが聖書の「コリント書」を諳んじる場面)、全てが崩壊したユウの精神病院シーン、はやはり印象的すぎる。
気球クラブ、その後
(2012/1/29)
青春と(タイトル通り)「、その後」を描いた作品。
話がつまらない。
空に浮く気球が落ちてくるのを地上でただ待っている永作博美演じる「ミツコ」が美しい。
彼女だけ、ずっと地面に足をつけたまま地上での愛を求めている。
ケータイで繋がる関係も最後にはみんな壊し、各々が一人(独り?)で地上で生きていた。
(2012/1/30)
もう一回観る。
空・気球に思いを馳せた”うわのそら”の者が、地上に降りる映画。
自殺サークル
(2012/8/20)
「(制作の)お金がないんだな」という印象を強く抱いた。
まあ、悪くはないが。
もっと”ヤバい”作品だと、勝手に思いこんでいた。
「あなたとあなたの関係性」という台詞が何度も繰り返される。
主観と客観は相容れない、自己に対し責任を持つことが最も困難である――そう言いたいのだろうか。
奇妙なサーカス
(2012/8/22)
ラスト20分、主人公家族たち全員が崩壊していくのは面白いが、それまでが退屈。
歪んだ内面や快楽・苦悩を表現するためなのかもしれないが、台詞のないイメージシーン多すぎ。
『愛のむきだし』のように、もっと全編にわたってエンタメ要素を入れてほしかった。
大口広司の演技は、狂気が溢れるようで良かった。
エクステ
(2012/8/26)
ヘアーエクステンション(=付け毛)の話。
ホラー成分より、大杉漣演じる美しい髪が大好きな変態男「山崎」の過剰さとギャグ成分のほうが目立つ。
満島ひかりが端役で少ししか出演していないのが残念。
園子温は(性的あるいは暴力による)子どもの虐待を描くの好きだな。
で、そうした子どもが歪んだまま成長して――ってのが多い。
夢の中へ
(2012/8/29)
よくこんなにつまらないストーリーを世の中に出したな、が感想。
電車の中で奇人を演じるオダギリジョーが出演していなければ、本当に退屈しきっていただろう。
わかりやすさを求めるためか、「真っ直ぐに伝えたい」からか知らないが、園子温作品の愚直に読まれる台詞が、演じられるシーンが苦手。
下水道のシーンは良かったが。
※粋がったことを書いてるこの日は、『エターナル☆サンシャイン』も観ていたらしい
ちゃんと伝える
(2012/9/2)
親の死、自身の死――それはずっと先かもしれないし、明日突然かもしれない――を描き、生きている者は生きている間にしか生きている相手に想いを伝えることはできない、そういったことを「伝え」ている作品。
でんでんや吹越満は『冷たい熱帯魚』が印象的すぎて(園子温作品に)出演していることが何故か笑える。
紀子の食卓
(2013/5/5)
紀子、ユカ(妹)、徹三(父)、母の家族の物語だが、『自殺サークル』の世界も含まれている。
家族(血縁による家族も疑似であるレンタル家族――虚構の関係――でも)を通して、己と己の関係(「あなたはあなたの関係者ですか?」)、己と他人との関係、が描かれる。
妹の吉高由里子がかわいい。
かわいい、だけでなくクライマックス・ラストシーンでは真に迫った演技をみせる。
父の光石研が狂気を孕んでいく姿も危機感がある。
つぐみという女優も、完全にキャラクターになりきっていて凄い。
希望の国
(2013/7/14)
東日本大震災による福島原発の大事故をモチーフに「原発」を描く。
父親と母親の演技が非常に良かった。
「目に見えない戦争」など、この監督らしい詩のような言葉が所々印象に残る。
気づいたのだが、園子温は作品内でさらに虚構(主にテレビだ)を入れることが多い。
その虚構で、堀部圭亮が「阿部官房長官」という役で出演していた。
風評や周囲に合わせることなく、お腹の子どものためになりふり構わずな姿勢(防護服とか)を貫くことは正しい。
が、何故か中々できることではない。
新宿スワン
(2015/6/6)
TOHOシネマズ川崎で観る。
同名漫画の実写映画化。
キャバクラ・風俗・AVなどのスカウトマンの話。
主人公の白鳥龍彦を綾野剛が演じる。
綾野剛、山田孝之、金子ノブアキ、深水元基…これはもはや『クローズ』では、なんて思ってしまう。
でも監督は三池崇史ではなく園子温。
やるならもっとエンタメテイストを強くしてほしかった。
凝ったカメラワークとか、不要。
タツヒコとノブナガのシーンの雨の演出は良かったが。
絵本の内容とカブらせるのは原作がそうなのか、脚本が鈴木おさむ(もう一人脚本はいたが)のせいであんなサブい感じになったのではと勝手に思っている。
と散々書いたが久しぶりに映画館で映画を観ることができて良かった。
地獄でなぜ悪い
(2017/9/13)
ヤクザとその娘と映画馬鹿と変態(まきこまれた星野源)。
それぞれの成り行きや思惑が混ざりあって、ヤクザの抗争(←これは本物。リアル)で娘を主演に映画を撮ることに。
コメディ。
ラスト10分で何だか『フロム・ダスク・ティル・ドーン』みたいになった。
ラストシーン、リアルの中でフィクション(映画)を撮影したヒラタ(長谷川博己)は現実世界を生き生きと疾走する。
ファックボンバーズ。
【本】けもの道を笑って歩け
(2014/4/12)
お笑い芸人をはじめたことやサンフランシスコで乞食をしていたことが書かれていた。
「質より量」
「性会話」
といった言葉を読むと、この監督の作風や行動的な人間であることが想起される。
宣伝に関する文章が興味深かった。