仕事の関係で渋谷に行くと、渋谷スクランブルスクエアなる施設を初めてみた。
Shibuya Scramble Square
SSSと言えば、『Angel Beats!』の「死んだ世界戦線」を思い出す。良いアニメだった。
(麻枝准さんの新作アニメ『神様になった日』が今から楽しみだ)
スクランブルスクエアそばのエスカレーターに乗っていると、前の若者が振り返って話しかけてきた。
「あれ? 経済学部だっけ」
???
急になんだろうと怪しんでいると、私の後ろから、
「そう。経済だよ。ゼミは入ってないけど」の声。
どうやら、若者二人がエスカレーター上で私をサンドイッチにして話しているらしい。
「俺はゼミ入ってるけど、けっこう楽しいよ」
「そっか~。俺も入れば良かったかなぁ」
どうやら二人には間にいる私が見えていないようだ。
幽霊。エスカレーターに乗りながら、ゴーストの私。
人が間にいるのに――まさに”人間”――話し続けるなんて、俺をコケにしてんじゃねえ!
などと、苛立つことは全くなかった。
そのときの私はゴーストだったから、肉体を抜け出して俯瞰して見ていたのだろう。
(俺も大学時代はゼミに入ったよ。楽しくはなかったけど)
幽霊の声は、こだましない。