以下、過去の記述より。
カッコ内は私が見た日付になります。
※ネタバレを含みますので、未見のかたはお気をつけください
バーバー
(2012/9/30)
寡黙で思慮深く、いつもタバコを吸っている床屋(バーバー)の男の物語。
静かだが、ストーリー展開、映像・視点(主人公の目線は人のやや上、髪型を見つめる)など、良い作品。
電気イスのラストシーン。
亡き妻――主人公のせいで自殺したのだが――を思い、「この世の言葉では表せないことを言えるかもしれない」。
このセリフで幕、素晴らしい。
バートン・フィンク
(2012/10/7)
庶民を描く劇作家の主人公バートン・フィンクはNYで人気を得て、ロスで映画会社と契約し、レスリングものの映画原作を書くことになる。
ホテルに滞在する主人公。
部屋の壁紙が剥がれていく、蚊に刺される、隣の部屋がうるさいなど、神経質な彼は多くの問題に悩まされる。
特に隣部屋の大男――彼は異常な暑さをともなって現れる――、殺人鬼である大男の存在は、庶民の世界に潜んだ狂気を示している。
ラスト、ホテルの部屋にある絵の風景に主人公がいるのは”絵の中の出来事”ってことか?
ファーゴ
(2012/10/14)
アメリカの田舎町で起きた実在の事件をもとにした作品。
義父から金を得るために妻の偽装誘拐を実行するが、主人公や依頼した犯人2人組の状況は変化していき……。
かなり深刻な悲劇だが、ただ重いだけでなく、テンポ良くみせている。
各キャラクターもしっかりと描かれている。
軽やかにみせるが、要所要所で恐怖を感じるつくりでもある。
ミラーズ・クロッシング
(2012/10/21)
序盤で人間関係をつかみそこねたため、楽しさ半減。
が、冒頭でわかりやすく「友情」「人物」「倫理」が大切であると述べてくれていたので、終盤はまあ楽しめた。
街を取り仕切ってるボスが、ガトリングガンみたいのをガンガン撃ちまくりながら歩くシーンが印象的。
ブラッドシンプル/ザ・スリラー
(2012/10/28)
コーエン兄弟のデビュー作品。
ストーリーは単純なサスペンスだが、卓の上の三匹の死んだ魚や犯人のライター、犬などの描写が良い。
夫と浮気相手を殺された女(妻)が、家に侵入した犯人の顔を”たった一度も見ずに”やっつける、ってのが秀逸。
犯人の右手をナイフで釘づけにするシーンのカメラワークが観る者の恐怖を煽る。
エンディング曲「It’s the same old song」が好き。
ノーカントリー
(2012/11/4)
大金を持ち逃げし追われる男、を追う凶悪な殺人鬼の男、事件を全くつかめていない保安官の男。
保安官は缶コーヒーBOSSやソフトバンクのCMに出演していたトミー・リー・ジョーンズが演じている。
一人一人のキャラクターが良い。
「子どもの俺が親父のあとを歩いている(夢を見た)」
ラストの保安官が妻に話した言葉は、一体どういう意味・意図なのか、よくわからなかった。
トゥルー・グリット
(2014/2/2)
少女の復讐劇。
父親の仇をうつ少女の人生(道程)には、数多の死人が出ていく。
その道の上で少女は父を殺した男(チェイニー)を射殺する。
彼女の片腕と引きかえに。
素晴らしいドラマ。